SNS看護を用いて利用者さんの健康に携わっていきたい

Tomopiia 対話看護専門士
SNISインタビュー
広島県在住 
地域看護を実践中の智恵さん

 以前は病院の地域連携部長として地域医療に従事していました。そのとき患者さんの伴走者として対話によってつながりをもつことの大切さを実感。
 そんなときにTomopiiaのSNS看護を知り研修を受けました。ポジティブヘルスでは「病気や障害があっても周りの力を借りて前向きに人生を歩む能力が健康である」と提唱されています。私はTomopiiaのSNS看護を使って利用者さんの健康に携わっていきたいと思いました。その後、独立して手と足ケアサロンを開業。リアルにお客さまと接しながら「笑顔は幸せのサイン」として互いの信頼関係を得るノンバーバルなコミュニケーションを大切にしています。施術をしたときに利用者さんから溢れ出る笑顔や言葉にならない安堵感は仕事のやりがいの一つです。

「心の白衣を脱ぐ」ことで、初めて聞き出せる利用者さんの本音

 研修を受けるまでは、長年の看護師経験から患者さんを目の前にすると、すぐに励まし、アドバイスをし、そして対話が前向きに進むようにけん引しようとしていました。そういう習慣が身についていたのです。しかし、それでは患者さんの本音、不安や不満を聞き出すことはできないとわかりました。病院のベッドサイドでは限られた時間のなかで効率的にコミュニケーションをとることが求められます。しかし、SNS看護ではその習慣はかえってマイナスになります。
 現在、私はTomopiiaの研修生のフィードバック面談担当もしていますが、最初にみなさんにお伝えすることは「心の白衣を脱いでください」ということです。病院内ではどうしても「目標を立てて、それに向かって~すべき」と看護師は考えがちです。しかしTomopiia対話サービスでの傾聴は病院での傾聴とは違います。利用者さんはご自身の現状をうまく言語化できていないことも多いので、まずは看護師としての役割や意識をとっぱらってコミュニケーションをとることが大切なのです。
 SNS看護で対話を重ねていくなかで、利用者さんが抱えているモヤモヤや不安などがだんだん言葉になっていくことがあります。本人でさえ気づいていない感情が対話によって言葉になっていくのです。それは「気づきが言語化される瞬間」です。その言葉が出てくると一気に対話が「変わった!」と感じます。まるでマグネットに引かれあうように言葉が出てくるのです。それまで抽象的だった言葉が具体的になったり、それまで聞き出すことができなかった本音が出てきたりします。そうなるとその対話がきっかけとなり生活習慣を変容させるようなことが起こるのです。

伝え方の力量を高めたい人に「現場とつながるツール」としてこのスキルを身に付けてほしい

 傾聴やクレーム対応など、これまでもコミュニケーションについてはいろいろな研修で学んできました。しかし、TomopiiaのSNS看護研修では、対話の中の言葉だけで解決するのではなくその奥にあるイシュー(問題)が何であるかに視点を向けそれを考える習慣が身に付きました。研修は実体験においても意識しながら活かせるものでした。
 今も相手が何に迷っているのか不安になっているのかに気づき、それを本人が整理するのを後押しできるような対話を心掛けています。
 文章でのやり取りはコミュニケーションの原点だと思っています。相手の言葉から相手の思いを正確にくみ取るスキルが求められるからです。SNSを使ったやり取りを学ぶことは、対面での傾聴、クレーム対応、対話にも役立ちます。
 ですから伝え方の力量を高めていきたいという人、とくに管理職の人には現場とつながる一つのツールとしてこのスキルを身に付けてほしい。ぜひ飛び込んできてください。