Tomopiia 対話看護専門士
SNISインタビュー
新潟県在住
看護教員の有紀さん
もともとは大学病院で精神科5年、消化器外科8年の看護師経験があります。その後に看護専門学校、大学の看護学科の講師をしています。今は学生とのかかわりが中心ですが、やはり患者さんとかかわっていくことが好きなんです。
コロナ禍のときにSNSを使ったコミュニケーションに注目が集まりました。私はそのときはすでに臨床から離れていましたが「看護師ももっと積極的にSNSを使えないだろうか」と思いました。コロナ禍で対面の看護の機会が多く奪われましたが「コミュニケーションで大切なのは量より質」と思っていたのです。それでTomopiiaのSNS看護研修を知ったときに関心をもちました。
相手の思いを見つける、しんぼう強く待つ、相手のペースに合わせる
入学したばかりの学生に「看護ってなに?」と聞くとたいていが「点滴や注射、入浴の介助……」と看護の手技を挙げます。看護って「何かをすること」だと思いがちなのです。そして病院に勤務すると「いかに効率よく患者さんに看護をするか」とばかり、手順を中心に考える習慣がついてしまいます。
でも、研修を受けて「対話を重ねることで言葉による看護も成立する」とわかりました。むしろ言葉だけだからこそ、よけいに伝わりやすいこともあるのです。
大切なのは、その人をよく知ること。当たり前のように思いますが、対面だとありきたりの言葉や言い回しで相手のことをわかったようなつもりで対応していることがあります。
SNS看護では、言葉の中から相手の思いを見つける、本音をしんぼう強く待つ、相手のペースを理解して合わせていくことに気持ちを集中させます。わかったふりをせずに相手が自分の言葉をどんな受け止め方をしているのかを読み返してみたり確認したりするのです。SNSだからこそ最適な言葉を選んだり、表現方法を考える時間があるのです。それを繰り返していくと言葉に対するセンスが磨かれていきます。
利用者にとっても顔も見えない、言葉だけでつながっている相手だからこそ打ち明けられる本音があります。家族や友人にも打ち明けていないようなことも顔も知らない相手だから話しやすいってことがあるのです。さらに対面とは違っていつでも思いついたときにSNSに向かうことができるのもSNS看護のメリットです。
利用者の返信に「言葉で看護は成立する」を実感。研修でヒントを得られるはず
SNSでやり取りを重ねていくと、それまで利用者の中でモヤモヤしていたものが言葉となって明確になっていくことがあります。人によって言葉にするのが得意な人、苦手な人、体調の良いときに本音を言う人もいれば、体調の悪いときには怒りをぶつけてくる人とさまざまです。ときにはスタンプ一つだけ押してくるときもあります。それが何を意味しているのかを考えることができるのがSNS看護のおもしろさだと思います。
対面の対話と違う点は、そのやりとりがすべて言葉として残るところです。それを読み返すと相手の心の変化に気がつくこともあります。だれかに背中を押してほしいのだろうなと感じるときもあります。ある利用者さんは過去のやり取りを読み返して自分が前向きになれた変化に気づいて「元気になりたいときは読み返しています」と感謝の返信をくれました。利用者さんを言葉によって支えることができたと、印象に残っています。
もし「あのときもう少し対話ができていたら」とか「私にできることがもっとあったんじゃないか」と思いを抱えている人がいるなら、ぜひTomopiiaのSNS看護研修を受けてみてください。「こんな聞き方をすれば話しやすかったのかもしれない」というヒントがあると思います。そして今度、同じようなケースが起こったときにはきっと活かせるはずです。