「日常の中にも看護がある」と看護から離れた子育て中に感じた

Tomopiia 対話看護専門士
SNISインタビュー 
山梨県在住 
子育て中の梨奈さん

 2000年に新卒で大学病院に就職して内科系病棟を経験した後に泌尿器科で副師長になりました。その後に教育専従の看護師長になりました。3年くらい従事しましたが家族の転勤にともなって退職。その後はツアーナースや学校の保健室、健康診断の検診業務などもしました。2016年に出産してからは育児に専念していました。
 子育て中にママ友と話をしていると「日常の中にも看護があるな」って感じることがしばしばありました。子どもの発熱やケガなんて日常茶飯事ですが、私が看護師をしていたことを知っているママ友からよく相談を持ちかけられました。多かったのは「子どもがお腹痛いって言うけど病院に連れて行ったほうがよい?」みたいな、よく起こりがちなことについてです。
 今はネットで調べればたいていのことはわかります。それでもやはり専門の知識をもった人が周りにいれば聞きたくなるのだろうなぁなんて思っていました。ちょうどそのころインスタグラムでTomopiiaの対話看護専門士のことを知ったのです。最初は「SNSで看護をする」ってイメージがつきませんでした。だからどんな会社なんだろうって調べてみたりしましたね。がん患者さんに特化したサービスだというのは意外でしたが、これまでにない看護の世界がどんなものか興味をもち研修を受けました。

目指しているのは“たまたま自分が看護師であった”という関係性

 看護師をしていたときにコミュニケーションに苦手意識をもったことはありませんでした。だからTomopiiaの研修を受けたときはとくに新しいことを学んでいる感じはせず「どこかで聞いたことある」くらいに思っていました。
 ところがいざ実践となるとできないのです。病院勤務のときは目の前に患者さんがいて、コミュニケーションはその患者さんにラベルを張るための情報収集をしていたのだと気がつきました。「行きつく先を見つけるための」手段とでもいうのでしょうか。患者さんの言いたいことを「察してあげる」ことが大事だと思っていたのです。
 でもTomopiiaの対話は違いました。病院のような「患者対看護師」とか「スタッフ対看護師長」という関係ではなく、フラットな立ち位置でのコミュニケーションなのです。利用者さんとの対話の中で「たまたま自分が看護師である」という関係。ママ友が私に病気やケガのことをポツリと聞いてきたような関係を目指しています。
 看護師というだけなら病院の看護師で足りるはずです。でもそれだけでは素直な気持ち、あるときは怒りや悲しみのような本音は話せないだろうなぁと思います。「話せる」「話してもいい」と保証された場所でノンバーバルに頼らず文字にして伝えることは相手との関係づくりにとても大切だと思いました。
 心掛けているのは「待つ」ということ。以前は自分から聞き出そうとしていましたが、相手がしゃべりださないことはそれも一つのメッセージである可能性もあるからです。

「なぜかいつも患者さんと同じような会話を繰り返している」というモヤモヤを解決

 この研修は患者さんとの会話が「気づけば業務だけになってしまっている」「コミュニケーションが広がらず突破口が見つけられない」と思っている人にぜひ受けてほしいです。現場にいると忙しい時間の合間に対話をすることが多いです。立ち止まっている時間もありませんから、対話がパターン化してきます。私自身も「それでも仕方ないか」と内心思っていたときもありました。うまく伝わっているかどうかわからないから不安になって言葉が増えるばかり。思うようなコミュニケーションがとれないことがありました。
 でもこの研修を受けるとこれまでのコミュニケーションとは違う視点がもてるようになりました。もう一歩患者さんに近づくためのスキルアップとして、自分で自分を見つめ直すことが机上ではなく経験できる研修です。
 また現在、産休や育休中で復職をどうしようかと考えている人、気持ち的にも時間的にも余裕のある休み中に何かをしたいと思っている人にはすごく良い研修だと思います。「患者さんとの会話はこれでいいのかな」と思っている方にぜひ受けてもらいたい。患者さんとの新しい関係性を築けるきっかけになるのではないでしょうか。